6/15に株式会社アトラエが東証マザーズ市場へ上場(IPO)します。

 インターネット上の求人サイト「Green」が事業の中心のアトラエ。予想株価は5,030円、IPO後の時価総額約63億円と高い株価が付けられています。

 2003年創業の若い会社で売上約8億円の企業ですが、株主にVCに参入していないため、人気化すれば値段が跳ねる可能性も。どんな初値が付くのか?
 小型銘柄で株価が高い感もありますが、大手証券の大和証券が主幹事であり、大和証券の手腕に期待したい所です。

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アトラエの事業内容

 アトラエの事業内容は、成功報酬型求人メディア「Green」、タレントマイニングサービス「TalentBase」及び完全審査制AIビジネスマッチングアプリ「yenta」等の企画・運営、と記されています。

 タレントマイニング?ビジネスマッチング?、という簡単には分からないビジネスが記載されていますが、詳細を見てみると売上の殆どがGreen事業より来ています。成功報酬型求人メディアGreenというのは、転職する人が決まったら求職会社から求人メディアに報酬が発生する、という新しい形の求人メディア(主にインターネット上で展開)です。

 アトラエの求人情報サイト「Green」は下記のサイトになります。

「Green」

 Gunosy、DeNAグループ等、ベンチャー的な位置付けの会社の求人が多く掲載されているのが特徴です。

16.5.17アトラエ目論見書
各種データは「アトラエの目論見書」を参照しました

業績推移

13/9期 売上高337百万円、経常利益43百万円、当期純利益44百万円
14/9期 売上高563百万円、経常利益88百万円、当期純利益57百万円
15/9期 売上高837百万円、経常利益94百万円、当期純利益64百万円
16/3月 売上高571百万円、経常利益148百万円、当期純利益99百万円

 13/9期より順調に業績を伸ばしており、申請決算期の15/9期は売上高837百万円、経常利益94百万円。経常利益1億円以下での上場申請となっていますが、当期は3月の上期の段階で経常利益148百万円となっており、当期も順調に業績は拡大している様子。

 ポイントは16/9期最終的にどの程度の売上と利益が予想されるか。初値及びIPO後の株価形成を考えると、このまま成長軌道を続けることができるのかが、最大の注目点。
 タレントマイニングサービス「TalentBase」及び完全審査制AIビジネスマッチングアプリ「yenta」といったサービスの成長も期待したいところですが、現状は売上の殆どが「Green」から来ており、当面同社の成長は「Green」次第と言えます。

株主状況

株式会社ラウレア 29.32%
新居佳英(社長) 26.23%
鎌田和彦 20.83%
菊川暁 8.33%
平井誠人 4.40%

 筆頭株主の㈱ラウレアは社長の資産管理会社と考えられますが、詳細不明。
 3位株主の鎌田和彦氏はインテリジェンスの創業者。同社社長の新居氏はインテリジェンス入社後に同社を創業しており、その関係で鎌田氏も同社に出資した、と推察されます。
 4位株主の菊川暁氏はガーラ(ジャスダック4777)の社長、5位株主の平井誠人氏はフランジアHD(未上場)の社長と考えられます。
 
 尚、上位株主5名はいずれも90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約がなされています。

 VC及び金融期間の株主の名前はありませんが、経営者繋がりの株主が多い会社となっています。

売出株が129,000株

 通常のIPOの場合、公募株>売出株、となりますが、同社は、公募株(95,000株)<売出株(129,000株)となっています。

 新居社長95,000株、鎌田氏27,000株、その他7,000株というのが売出の内訳となっています。
 尚、株価5,030円とすると、新居社長の売出での株式売却額は約477百万円となります。

想定価格(株価)及び調達金額

・上場予定日 2016年6月15日
・想定株価 5,030円
・予想PER 不明
・調達予定金額 477百万円
・時価総額 6,332百万円(想定株価5,030円×1,259,000株)

 16/9期の予想決算数字が開示されていないので、予想PERは算出していません。
 想定株価5,030円で計算するとIPO時の時価総額約63億円となります。これはさすがに高すぎ。

 計算違いかも、と思わないでもないのですが、IPO前の発行済株式数1,164,000株+公募95,000株=1,259,000株となりますし、想定価格は目論見書に5,030円と記載してあるので、間違いありません。

 大和証券頑張りましたねー。逆算すると、PER20倍と高めに見積もって、16/9期当期純利益が3億円ないと説明が難しい株価水準。上期で当期純利益が約1.5億円なので、達成の可能性は十分ありますが。

 それにしても求人サイトの会社がPER20倍ですか、大和証券の手腕に期待する所大ですね。

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上場主幹事及び幹事団

・大和証券(主幹事)
SMBC日興証券
・いちよし証券
岩井コスモ証券

 小型銘柄ですが、大手の大和証券が主幹事。株価的に頑張っている感のある大和証券、主幹事の腕の見せ所ですね。

 副幹事にSMBC日興証券岩井コスモ証券が入っているので、ネットでのIPO株申込が行い易い銘柄と言えます。

アトラエのIPO考察

 アトラエはネット上での求人メディア事業を行っており、ネット系企業と言えます。よって”ネット”という部分が評価されれば、VC株主もいないので初値で予想以上の株価がつく可能性があります。
 とは言え、求人メディアを手掛ける企業は既に何社も上場しており、またか・・・、となると株価が伸び悩む可能性も。

 業績は順調に拡大しており、そこを評価して大和証券も強気の価格設定を行っている様子。とりあえず公募価格決定前に16/9期の予想決算が開示されるはずなので、IPO株に応募するかどうかは、それを見てから判断しても遅くはありません。(恐らく変な業績にはなっていないでしょうが)

 ネット系という部分に夢を託す+大和証券の手腕を信じるか、それともこの相場環境でこの価格設定はチョット・・・、となるのか。結構悩ましい銘柄と言えます。
 果たしてアトラエのIPO初値はどうなるのか?注目です。

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