2016年6月15日に株式会社農業総合研究所(3541)がマザーズに上場(IPO)。

 農産物の委託販売のプラットフォームを提供している農業総合研究所。久しぶりの和歌山県からの上場会社となります。

 時価総額約20億円でのIPOと小型銘柄ながら主幹事は大手証券会社の大和証券、幹事団には野村証券の名前も連なっています。
 小型株ゆえ、人気化すれば株価が跳ねる可能性を有している農業総合研究所。どんなIPO初値がつくのか、非常に興味深いです。

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農業総合研究所の事業内容

 目論見書等に農業総合研究所の事業内容は、生産者及び農産物直売所と連携し、スーパー等の直売所コーナーで委託販売を行うための物流・情報・決済のプラットフォームを提供する農家の直売所事業、とあります。

 極々簡単に言えば、同社が野菜等の生産農家とスーパー等の販売店を仲介して、販売店でその野菜等が売れれば手数料をいただく、というのが同社のビジネスモデル。生産者の側は販売店に営業する必要なく野菜等が売れる、というメリットがあります。
 一方、スーパーとしては在庫を抱える必要なく、売上が上がればそれに応じて手数料が貰える、というメリットがあります。
 
 スーパーによっては産直コーナーみたいなのがあって、通常のスーパーで売ってないような野菜が売っているスペースがありますが、そんなスペースの仲介をしているのが同社、と言えばイメージが湧きやすいのではないかと。

 尚、農業総合研究所の本社所在地は和歌山県和歌山市。和歌山から久しぶりの上場会社登場となります。

16.5.18農業総合研究所-目論見書
各種データは農業総合研究所の目論見書を参照しました

業績推移

13/8期 売上高524百万円、経常利益▲33百万円、当期純利益▲34百万円
14/8期 売上高858百万円、経常利益▲23百万円、当期純利益▲26百万円
15/8期 売上高884百万円、経常利益44百万円、当期純利益52百万円
16/2中間期 売上高537百万円、経常利益80百万円、当期純利益51百万円

 前期15/8期に黒字化し、当期16/8期は中間期の状況から増収増益が確実な状況。

 目論見書を見ると、13/8期より売上高を総額方式から手数料方式に変更しています。どういうことかといえば、総額方式の場合はスーパーで野菜が販売されると、その野菜の売上も同社の売上に計上されますが、手数料方式の場合は同社が受け取る手数料部分のみを売上に計上します。
 同社は、”野菜を販売するプラットフォームを提供”するのが事業内容で、野菜を販売するのが事業内容ではないので、売上計上を手数料のみにしたのは、極めて妥当な判断と言えます。

 手数料のみを売上に計上すると、売上=ほぼ利益、となるので、一旦損益分岐点を超えると非常に高い利益率となりますが、中間期の状況からはまさに、利益率の高いビジネスが立ち上がりつつある状況と言えます。

株主状況

プレンティー(親会社)46.33%
及川智正(社長)20.90%
堀内寛(副社長)18.64%
澁谷剛(不明)5.65%
東果大阪(取引先)3.39%

 農業総合研究所には未上場の親会社プレンティーが存在。プレンティーの事業内容は、エンターテインメント関連事業企画販売及びLEDレンタルシステムの販売。重大な関連当事者間の取引は無い様子。ただし、個人的には大和証券もよくこの規模の事業規模で未上場の親会社が存在して上場にOKを出したなぁ、と思います。
 プレンティーは上場前の保有株820,000株で持ち株比率46.3%。売出で100,000株を放出し、上場後の持ち株比率35.2%。折角なのでもう少し売出で株を出せば、持ち株比率33.4%以下となり関連会社から外れるのですが・・・。

 同社はVC株主として三菱UFJキャピタル(0.56%)と紀陽リース・キャピタル(0.56%)が存在。紀陽リース・キャピタルは90日のロックアップ契約を締結していますが、三菱UFJキャピタルはロックアップ契約の締結はありません。

想定価格(株価)及び調達金額

・上場予定日 2016年6月16日
・想定株価 1,010円
・予想PER 不明
・調達予定金額 272百万円
・時価総額 2,060百万円(想定株価1,010円×2,040,000株)

 想定価格1,010円で計算すると時価総額約20億円でのIPOとなります。ホント小型銘柄と言えます。大手証券の大和証券、この規模の上場も引受けるのは意外な感もありますが、地方から上場会社誕生ということで、幅広に見ているのかもしれません。

 小型銘柄なので、人気化すると一気に株価が吹き上がる可能性がありますが、さてどうなりますか。

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上場主幹事及び幹事団

・大和証券(主幹事)
・野村証券
・みずほ証券
SMBC日興証券
SBI証券

 主幹事は大和証券。そして副幹事に野村証券、SMBC日興証券と、旧大手三社が揃い踏み。うーむ、この規模の会社に野村証券まで幹事団に入っているのが、ホント意外な感じがします。地方の新規IPOの場合、主幹事でなくとも採算度外視で何が何でも幹事団に入り込む、と言うことがありますが、そんな幹事でしょうか?主幹事大和で副幹事野村、逆は普通にありますが、非常に珍しいケースと思われます。

 旧証券大手三社が揃い踏みですが、SMBC日興証券はネット経由でもIPO株の申込が可能です。

 またSBI証券も幹事団に入っているので、ネット経由でSBI証券でもIPO株の申込が可能です。SBI証券はIPO株にハズレても、申込をしておけばポイントが溜まって、次回以降に溜まったポイントでIPO株の割当を受けられる制度があるので、同社に興味があれば口座解説をしてダメ元でトライしてみてはいかがでしょうか?

農業総合総合研究所のIPO考察

 地方からの上場会社ということで、各方面若干審査を甘めにしている感もありますが、事業自体は当期に立ち上がり、といえる状態となりつつあります。手数料を売上高に計上するビジネス、一旦黒字となって回り始めると非常に利益率の高いビジネスとなりますが、同社はまさに当期そのスタート地点に位置しています。

 時価総額約20億円と小型株としての上場となりますが、今後事業規模の拡大が続くようなら、売上の拡大がそのまま利益の拡大に繋がるため、小さく産んで大きく育てる的な株価形成の可能性を有しています。

 ただし手数料系のビジネス、一旦立ち上がるとそのまま横ばいになり伸び悩む会社も多く存在するため、同社がIPO後にどちらになるのか、ここが同社の将来の株価を決めるポイントとなると考えられます。

 目先の話をすれば時価総額20億円で上場する農業総合総合研究所、時価総額的に株価がここより下に下がるリスクは少ないと考えます。ただしIPO初値が跳ねるかどうかは、どれだけ市場の注目を浴びるかどうか、という点にかかってきます。

 農業は成長産業だ、という政府の掛け声も案外フォローの風のような感もしますが、果たして農業総合総合研究所のIPO初値はどうなるのか?注目です。

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