IPOは株の世界でも結構特殊な用語が並ぶ世界です。ここにIPOの用語集を作成しました。分かり易くかつ若干ひねりも加えて作成しました。

 当サイトや他サイトでIPO関連の記事を読んで分からない言葉が出てきた際、こちらの用語集をご参考ください。

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株価プレス式IPO用語集

IPO(アイ・ピー・オー)

 IPOというのは、Initial Public Offeringの頭文字を取ったものです。未上場会社が株式市場に上場することを指します、日本語では(新規)上場とか(新規)公開と表現されることもあります。
 IPOすることで、企業は株式市場から返済する必要のない資金調達が可能になり、調達資金で積極的な事業拡大が可能になります。また資金調達を伴わなくとも、企業のイメージや知名度アップという効果ももたらされます。
 一方で株主の都合(主にファンド)でIPOする会社も中には存在。本来企業の成長資金を調達するIPOが、株主の利益確定のために利用されるケースも散見されます。

主幹事証券会社

 企業のIPOの指導係兼よろず何でも係。企業のIPOの実務指導を行い、IPOの際に株式売却の手続きの大半を担うことで手数料を獲得しています。
 主幹事を行うためにはIPOするための制度通じた人材が必要となるため、証券会社は専門の人材を用意する必要があります。よって必然的に体力のある大手証券会社が主幹事を担うケースが多いです。

 特に大手証券会社は主幹事獲得のために日夜、他証券としのぎを削っています。主幹事をおたくに任せますよ、という「主幹事宣言書」(マンデートと言います)、を上場希望企業からもらうための営業も大手証券会社の重要な仕事となっています。

 ちなみにIPOまで主幹事の立場は実は結構微妙です。主幹事と企業の関係、基本的に紙切れ(マンデート)1枚の関係。主幹事がコンサルフィーをもらうケースもありますが、企業側が、もうオタクとは付き合いきれませんわ、と言われてしまうとそれまでになってしまいます・・・。
 だからIPOの準備はA証券会社で進めていたのに、実際IPOした時はB証券だった、ということがタマにあります。企業側がわがままを言ったのか、証券会社が厳しいことを言い過ぎたのか、それはケースバイケースですが。

平幹事(ひらかんじ)

 企業がIPOの際、上場株式を取り扱う(以下、引受けると表現します)のは主幹事証券会社だけではありません。大半の株は主幹事証券が引き受けますが、一部の株は他の証券会社が引き受けます。
 この主幹事証券会社以外の引受証券会社を平幹事と言います。

 主幹事を務める機能を持っていない多くのネット系証券会社が、IPOの際に名前を連ねるのはこの平幹事。IPO企業の平幹事に加えてもらうための営業も、証券会社としては重要。確かにパイは取れませんが、IPO株は証券会社の有力な営業ツール。
 ただし大手証券の中には、主幹事しか取りません、というケースもあります。

引受部・公開引受部

 証券会社の中でIPO企業に対し、IPOを行うまでの各種指導を行う部署。

 企業に対し書類作成や制度構築の指導を行うという、営業中心の証券会社の中では異色の部署。企業がIPOできるかどうかは、引受部及びその担当者の能力次第、という面もあります。

公募増資(こうぼぞうし)

 企業がIPOに際し新たに株式を発行して株式市場から資金を調達すること。略して「公募」と呼ばれることも多い。
 基本的には、企業のIPOの最大の目的は公募増資で資金調達を行うことになります。

売出(うりだし)

 企業のオーナー株主やファンドの株主がIPOに際し株を売却すること。
 IPOの際に株式市場に放出される株は、公募株と売出株の2種類。一般的には公募株のイメージが強いですが、売出株も忘れてはいけません。

 企業オーナーは売出をすることで創業者利益の獲得ができます。上場企業のオーナーが持ち株を売却できるのは、会社をM&Aで売却しない限りは実質的にIPOの際の売出程度。リスクをとって企業をIPOできるまで成長させたのですから、オーナーの売出は成功報酬とも言えます。

 上場初日に相場が加熱して値段がつかない時に売出株は必要不可欠。売出株を預かった証券会社が売り注文を出すことで、相場の加熱を防ぐ役割も有しています(冷やし玉:ひやしぎょく、と言います)。冷やし玉がなければ、初値がトンデモない値段がついて、その後スグに急落、なんてこともありえますので。
 
 売出株は単にオーナーの利益確定という面だけでなく、円滑なIPO初日を迎えるためには必要不可欠な存在となっています。

オーバーアロットメント

 
 IPOに際して公募・売出しの数量を超える需要があった場合、主幹事が株主から一旦株を借り、投資家に追加で買ってもらうことを言います。オーバーアロットメントは、公募枚数・売出枚数の15%まで上限となっています。
 こちらも売出株と同様、株価の急騰急落を避け円滑なIPOを迎えるための制度となっています。

発行会社・発行体・発行企業

 IPOに際し新たに株式を発行する企業。要は新規IPOする会社です。証券業界では発行会社と表現することが多いです。

ロックアップ

 本来IPO後、株主は株式市場で自由に株を売却できるのですが、主幹事が株主に対して上場後も株を売らないように契約をすることがありますが、それがロックアップ。VC(ベンチャーキャピタル)等のファンド株主と証券会社がロックアップ契約を結ぶことが多い。
 ただしVC等にとっては、基本的にフリーハンドで株を売却したい、と思うのが当然。ロックアップ契約をめぐって、証券会社・発行会社・VCで激しいせめぎあいが行われることも。
 上場後にVCが株をドンドン売るケースがあり、それに伴い株価も下落することもあるので、基本的には証券会社はロックアップ契約を結びたがります。

 ただし例えば90日のロックアップ契約を結んでも、その後にVCが株の売却を行って株価が下がれば意味ないのでは?、というご意見も。出来高のある上場後しばらくはVC株の売却を吸収できても、ロックアップ明けた頃は出来高もそんなにないので、株価がVC株の売却とともに株価がズルズルと下がっていく・・・、ということもあるので、ロックアップ契約も一長一短と言えます。
 上記をまとめて「任意ロックアップ」と言います。 

 また一方で東京証券取引所が上場規則で定めている、制度ロックアップ、というもの存在。公開申請決算期中の第三者割当増資で引受けられた株は、IPO後半年もしくは増資払込後1年は売却できません。これは証券会社が株主と契約書を締結するのではなく、制度で決まっているので必ず従わなければなりません。

 この制度ロックアップは、かつて世をお騒がせしたリクルート事件の教訓を得て設けられた制度となっています。

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VC(ベンチャーキャピタル)

 未上場企業に投資を行って、その未上場企業が上場の際に株式を売却して利益を上げる会社。日本では野村証券系のジャフコが最大手だが、最近は独立系のVCの活躍も。投資した企業がIPOできなければ収益が上がらないVCは極めてハイリスクハイリターンな商売と言えます。
 IPO投資という観点では、VCが多くの株を保有している会社の場合、VCが上場後に株を大量に売却するのではないか?、という懸念があるケースも出てきます。

投資事業組合・投資事業有限責任組合

 VCの投資が保有する投資ファンド。金融機関系VC以外は、外部投資家から資金を集めてファンドを組成してVC投資を行うケースが大半。そのVC投資を行うためのファンドは、投資事業有限責任組合という形式で組成するケースが殆んど。
 よってIPO会社のVC株主を見る際、○○投資事業有限責任組合、という記載があれば、それはVCの投資ファンドと考えてほぼ間違いありません。(名前を見ると、どこの会社が組成したファンドか分かります)
 VCはこのファンドから得られる投資収益と、ファンドの管理手数料の2つが、収益の柱となっています。
 そしてVCはこの投資事業組合の成績(パフォーマンス)で全てが評価されます。成績が悪い場合、その後のファンド組成に大きく影響する=継続的な投資活動ができなくなる可能性もあります。

目論見書(もくろみしょ)

 正式名称は、新株式発行及び自己株式の処分並びに株式売出届出目論見書。

 IPOする企業が投資家に向けて、当社はこんな会社ですよ、という説明書的存在。目論見書を見て、中身を把握すれば、IPOする会社の内容はほとんど理解できる構成になっています。以前は証券会社の店頭で目論見書を配っていましたが、今はインターネット上で取得できます。

 目論見書をバッチリ読みこなして、IPO投資を行うようになれば、一人前のIPO投資家になれる、と言っても過言ではないでしょう。

公開申請決算期

 企業がIPOする際は、決算の確定後に上場の申請を行います。この上場申請を行う決算期を、公開申請決算期(略して公開申請期)と言います。

 日本の会社で多い3月決算の会社は、6月の株主総会で決算が確定するので、上場申請を行うのは6月以降。その後、東京証券取引所による審査が行われ、無事審査に通れば上場の承認がおりて早ければ9月ごろに株式市場にIPO、という運びになります。

 
 以上、また適宜追加の必要があれば書き足して参ります。

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